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8月1日 クルクス | イヌイットの集落 |
小さな小さな飛行場へ降りると、車はありません。 丘の陰にあるこの村まで約四十分ぐらい歩きます。 イヌイットの家はきっと原始的なものだろうと想像していた私でした。でもごらん下さい。こんなにきれいな建物でした。建築材料になる材木のとれないグリーンランドで、どうして?とお思いになるでしょう。実はこれは全部輸入です。
村の道を歩くと、道端に建築材料になる木材の束がキチンと整理して縛られて置かれてありました。家の大きさ部屋の数などを決めて、セットで注文し、組みたてるばかりにしたのを輸入するのだと言います。一種のプレハブ住宅でしょうが、ご覧のようにあまり大きな家はありません。
ガイドのデンマーク人の青年の話では、家族は多くて、その上、結婚年齢が非常に低いので、子供が沢山いるとのことでした。彼が夏の間滞在する家では家族十六人だと言いました。
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氷河とイヌイットの墓地 | |
彼らの墓地です。白い十字架が沢山並んでいますがそれには死者の名前を記入してありません。イヌイットは先祖の名前を受け継ぐので、死者の名前は書くことはないのだとと言うことでした。
硬く冷たい土にそのまま埋葬するんですね。
対岸の山には氷河が見られます。氷山がこの前の湾に沢山浮いています。立って氷山の海を見ていたら不意にドサッと重い音がしました。対岸の氷河が海に崩れ落ちる音でした。
氷山の海には、食料になるアザラシが沈めて保存じてありました。冷蔵庫なんか勿論不要なここでは、氷山の海が食料貯蔵庫になるんですね。でも美味しくはないとガイドの青年は言いました。 |
イヌイットの人々 | |
イヌイットの村にはいると、子供達が近づいて来ます。ご覧のようにモンゴル系だということがすぐ解ります。 昔の田舎の子供達と同じ感じがします。もし、日本語で話が出来つならば、そのまま日本人です。人なつこくて可愛かったですよ。 イヌイットは世界に10万人はいるとのことですが、彼らは生き物には精霊が宿っていて、そのおかげで自分たちは命を保てると信じています。野菜は食べずに動物の内臓や血で必要な栄養素をとっていることはよく知られていることです。 左のおじさん(私より若いかも知れないから、そんな風に呼んでは活けないかも知れませんが)は土産物屋の小さな場所で イヌイットの踊りを踊って見せてくれました。ホントにどっかであったことがあるような顔ですが、踊りの歌も雰囲気も全く違うんですね。何だか不思議な感じでした。太鼓は皮を貼ってありますが,皮を叩かないで、枠を叩いて響かせる使い方でした。これは、アイヌやエスキモーやカムチャッカの原住民とは違う感じです。 |
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男達は一人乗りのカヤックを操って漁をします。 このカヤックはアザラシの皮をなめして造られていて軽い感じでした。冬は犬橇を使って雪の中で狩りをします。この犬たちは、労働用に躾られているので、ペットの様な感じで近づかないで下さいと言われました。可愛い子育てをしている犬もいましたが、警戒してそっと通りました。 |
寒い所にも花は咲く | |
説明が後になりましたが、グリーンランドは北極海と大西洋の間にある世界最大の島です。大部分が氷床と万年雪に覆われて、人が住んでいるのは海岸部に少しだけで、巨大なフィヨルドが多くて、氷の厚さは300メートルにもなるとのことでした。 魚介類、アザラシ、クジラなどの海産物が主要産業で、西暦982年にノルウエーの赤毛のエイリクが事情があって移住したのが先駆けだとされています。15世紀にエイリクの息子のレイファ・エリクソンがアメリカを発見したとあるサガと言う伝承記述を、コロンブスが読んで、アメリカの存在を知ったのだと言うことになっています。 グリーンランドはデンマーク領ですが、1979年から自治政府が認められて、国旗もあります。氷山と白夜の太陽をイメージした旗だそうです。 こんなところにもワタスゲが群生していました。この国の花だと言うニビアシックは、本当に丈夫で、ピンクの花が生き生きと咲いています。 |
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流氷の海をボートで渡る | |
氷山の海を渡る 画面ををクリックして下さい。 |
この小さな村にも、愛らしいキリスト教会がありました。住民の集会場としての使われているという話でした。厚い窓ガラスは独逸製の氷山をイメージしたもので輝いていました。 小さな土産物やもあり、郵便局もあり、学校もあるとのことですが、観光客の生理的な必要を解決する場所(トイレ)はありませんでした。帰りは、40分の歩行を少し省略して、命がけですが氷河の海を小さなボートで横切りました。救命チョッキをつけましたが、落っこちたら氷の海ですから、心臓がパタ・・・。と言うことになるでしょう。 海に浮かぶ氷山の色は言葉に出来ない清澄な青です。氷河の氷は普通の氷と違い、雪が圧されて出来たものですから、透明ではありませんが、海に浮かんでいる色は得も言われない色です。神々しいとさえ思えました。 氷の海を渡るボートは怖かったです。 |