フェロー諸島
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7月28日 | フェロー諸島 |
朝、コペンハーゲン中央駅を見ながら散歩しました。真夜中まで開園のチボリ公園のせいでしょう。煙草の吸い殻が散乱していて道路は汚れています。正面入口はこうじちゅうでしたが、鉄骨造りの堂々たる古い(年代は解りません)ものです。列車数も多いですが、改札口と言うものはなくて、プラットホームまで自由に行けました。通勤列車などには自転車がのせられます。 今日はデンマーク領・フェロー諸島へは小さな飛行機です。飛行機だけでなく、海に落ちていくような感じで小さな飛行場に降りまつきました。周囲には何にもないと言うのが適切でしょう。あったのは小さな2階建てのホテルが一つです。あとは野原だけです。季節なのでしょう。沢山の野の花(日本で見る高山植物のような)が咲いていました。綿スゲが風に吹かれていました。 |
フェローの海 | |
フェロー諸島は18の島から成り、二つが無人島、全部で東京都の60%程度の広さ。人口は四万八千人程度。デンマークから自治権を獲得しています。 私たちの降りた飛行場はVagar島にありました。英国軍の飛行場がデンマークに移管されて、民間の飛行場になったのだそうです。 この諸島はミケーニス島(鳥の楽園島)とフェロー島(羊の島)と二つの名前がつけられていましたとか。 6世紀初めにアイルランドの修道士達がミケみーニス島に移住してきたのがはじめで、やがてノルウエー領土となりバイキングが入ってきましたが、14世紀にカルマル同盟によりデンマーク領となり、第2次大戦後英国保護領となり、1948年にデンマーク自治領となったと言う経緯はまことに複雑・・・・。そんなわけでデンマーク領内で使う国旗があります。 捕鯨国でECには加盟していません。そこで鯨を食べることになるかしらと、少々期待しましたが、滞在中食卓にはでませんでした。 首都のトウシュハンのある島へは2004年に海底トンネルが開通しています。岩盤が丈夫なので、掘削した壁面が自然の岩のようでした。陸上にあるトンネルも壁面は岩そのもの。バスの灯りで照らしながら通ります。 海の美しさはご覧の通り。一番良い季節に観光に来たのですから当然のことでしょうが、空の青と澄んだ海の色に感動します。下の写真のケルンのような石積みは漁の無事を祈るものだとか聞きました。 |
フェロー島の家々 | |
首都のトウシュハンは小さな港町のような所です。ここはバイキングの集合地・交易の港として使われていた場所だそうです。 入り込んだ港の一方に旧い家並みが残っていました。1672年築のいえもあり、今でも住居として使われていました。木造で黒や錆び朱いろに塗られていて、屋根は草葺きです。土をのせて草が毎年生えてくると言う仕掛けです。こぢんまりとした建物で、可愛らしい佇まいですが、維持が難しくて減少してきているとのことでした。今は国で保護をしようとしているのだと言う話です。 右下の大きな建物はログハウスみたいな倉庫です。昔の貿易の時代を偲ばせるものでした。 この島国には3つの病院があり、コペンハーゲンと連繋して治療するそうです。 結婚年齢は24歳前後で、子供は5,6人が普通で15人もの子供を持つ家庭もあるそうです。 |
○月○日 | フェロー島の人々 |
この島の聖人オアフの犠牲の日を記念するお祭りの前夜祭にあたるとのことで、島の人々は、みんな民族衣装でお洒落をして、市庁舎前の広場に集まっています。お店も午前中だけで、お休みになるのでした。 おじいさんも、おばあさんも、若者達も、子供達もご覧のような格好です。みんな神妙な顔をして、市長さんの長い長い演説を聞いて立っています。古ノルド語と言う旧い言語ですから、私には全く意味がわかりません。 中には日本から来たのかと声をかける人がいたりしました。この島には、珍しいことだったと思います。このあと島人達はボートレースを楽しみ、そのあとダンスが始まり一晩中踊り明かすのだそうでした。ダンスへの参加は私たちの予定に入っていません。 私たちはバードウォッチングクルーズです。 |
初めてのランチ | |
これは今回の旅行ではじめていただいたちゃんとした食事です。ザリガニとナマズのクリーム煮。それにインディカ米のピラフで、とても美味しかったです。お祭りの日なので、少し早めの昼食でした。 このあと、町を案内してもらい、市長さんの長い演説を聞いたのです。 バードウオッチングのクルーズの集合時間まで自由時間となりましたが、おみやげ屋さんも、ほんの何軒かが開いているだけで、お祭り参加の気分浮き浮きの島人が、お洒落をして三々五々おしゃべりをして集いあっているのに、つきあうことは出来ません。、疲れてしまって、やっとのことで見つけた暇そうなレストランで、まずくて生温いオニオンスープと紅茶をいただいて時間をつぶしました。ここのレストランの女の子も、夜になれば衣裳をつけて踊り明かすことになっているのだといいました。 小型ボートによるバードウオッチンククルーズで島の一部を巡ります。風が強くて寒い。フィヨルドに寄って形成された島の海岸線は150メートルもの断崖絶壁となっています。 |
フェロー島めぐり | |
断崖絶壁で人間や他の動物が近寄ることが出来ないから、海鳥たちが巣を安心して作ることができるのでしょう。それで最初の島の名前が鳥の住む島(ミケーネス)となったと言うのを納得することが出来ました。沢山の海鳥が巣作りをして賑やかです。鴎の種類でしょうか、船を追いかけてくるものもいました。 そして驚いたことに、この断崖絶壁の上に育っている青草には羊が育てられてたのです。船で羊を運び、一匹ずつロープで引き上げて飼っているとはボートのキャプテンの話ですが、転落しないだろうかと心配になりました。 鳥も草ですが、景観が素晴らしいです。洞穴に入ったりトンネルを抜けたりします。また、不便さ故に住む人のいなくなってしまった島の、抜け殻のような教会の建物とソーラーシステム(冬はどうなるのか心配です)の灯台だけが建つ島などを見ます。冬も余り寒くなく、夏は11度から15度で過ごしやすいと言いましたが、冬の暗闇を思うと恐ろしいです。終わって、バスに乗りあの小さなホテルに戻って夕食。午後11時ですが、未だ明るくて驚きます。 |