茫茫漫遊記 極北・アイスランド編
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7月31日 ゴーダフォスの瀧




北アイルランドへ飛んで、アークレイリへ。ここはイアンヤースフィヨルドの一番奥に位置して深度のある天然の良港です。最も北に位置していますが、冬で零下2度程度であまり寒くはありません。最も良い鱈の漁場で、いわゆる鱈戦争と言われる漁業権を巡(る英国との戦争で大被害を受けました。その時にはここに男性がほとんどいなくってしまい、他の地区から男性を迎え入れたことがあったと言います。

ゴーダフォスは神々の瀧と言う意味。紀元1000年にシングベトリルの会議で、アイスランドがキリスト教に改宗することに決まり、この瀧にバイキングの多神教の神々の偶像を投げ込んだと言われています。

氷河の水を湛えた大河スキャルファンダフリョウートが轟音と水煙を上げながら流れ落ちています。

7月31日                              ミーバトン湖 溶岩をとめた教会


ミーバトンと言うのは「蚊の湖」と言う意味なんだそうです。バスを降りるとき、虫除けのスプレーをシュシュッとかけて貰いましたが、押し寄せてくると言う感じに、小さなブヨに似た小虫が寄ってきます。もう美味しくもない私なのに虫除けをかけないウツクシカッタ顔によってくるのを払いながら歩きます。
 ラクスアゥ河を溶岩の流れがせき止めて出来た湖。地熱や、火山地域からの地下蒸気が吹き込んで、冬でも完全には凍らないそうです。だから蚊が多くそれを餌にする鳥が多いのでしょうね。鳥のサンクチュアリになっていて、キンクロハジロガモをはじめとして、306種類もの野鳥がここに集い、その内200余種がここで育雛するのだそうです。
 日本の阿寒湖に棲息するマリモと同じ大型球状マリモの群生があり、ここではクールシュキート(まるいうんち)と呼ばれていました。名前がイヤですが触らせてもらいましたら、意外にしっかりした手触りでした。ハハハです。
 
この辺りはアイスランドでも最も火山活動の盛んな所で約5年毎に大きな噴火があるんですなどと、ガイドが馴れた表情で言います。写真の教会は1975年から84年にかけての大噴火の際に、溶岩がここの教会を避けて二つに分かれて流れ、村民が助かったところですと  か・・・・。建て直されて新しくなったそうですが、霊験あらたかな・・・・ところ!!。天候は晴れたかと思うと、忽ち曇り、曇ったかと思うと忽ち晴れと言う有様です。教会を撮るときは素晴らしい青空でした。これも霊験かしら?
 
溶岩の迷路平原



少し行って火山礫が高く積もって複雑な形をしている周辺が60キロにもなるという歩きにくい溶岩迷路を探索して歩きました。地球のクレバスを見たり、盛り上がって城の様に見えたり、怪物の様に見えたりする火山礫のおどろおどろしい堆積の中にある道でガイドの後で迷わないようについて歩くのは大変でした。
 
ある朝、目が覚めたら家の床下から熱い蒸気が噴き出して来て、住めなくなったと言う所も見ましたが、その周辺の家々は平然として暮らしています。家跡には穴があいていて熱湯が噴出しています。突如こんな事が起きるような浅いところにマグマが活動しているんですね。オオコワイ!でもこの国の人は、地熱の恩恵を受けていると言う感じで、平然としているんですよ。驚いてしまいます。
夕虹




このあたりは雪があまり降らないので、雪不足に備えて人工雪を造り、ライトをつけて夜間営業のスキー場をつくるとか言う、嘘みたいな話も聞きました。
長く暗い冬なのでアルコール中毒者が多いそうです。クリスマスは10日以上も前から大騒ぎをするし、2月にはバイキングの記念の大きな行事を何日もしたりすると、冬の暗さを耐える人々の暮らしを思わせられました。
飛行場に向かうと見下ろすフィヨルドを横切る道路がありました。そのあと、この町の古い建物の残る通りを過ぎ、自慢の植物園(夏の3ヶ月だけ開園する)を見ました。丈の低いコスモスがもの凄く大きな花をつけていて、日本の秋のコスモスの風景とは異常にことなっていました。
飛行機を待っているとフィヨルドの岸に夕虹がかかりました。天候の変化の激しい土地で、この旅行の間に何回も虹を見ました。ここの人々は虹に驚きません。私たちは虹を見る度に感嘆の声をあげました。


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