茫茫漫遊記 宝塚・神戸・広島・瀬戸内紀行
 
       
   
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大久野島から大三島へは一寸大きなフェリーでした。忠海から大三島へ行くフェリーが立ち寄るのだそうです。大三島に橋ができてからは、このフェリーを使う人が滅多になく特に、大久野島からの乗客が居ないと、泊まらずに通り過ぎてしまうこともあるなどと聞いて心配しました。確かに乗客は私達二人だけでした

瀬戸内海の島々は海の中に県境がありますので大山祇神社がある大三島は広島県だと思っていましたら、愛媛県大三島町なのでした。

大三島盛港へつきました。観光タクシーを予約してありましたので、案内はお任せでまずはメインの大山祇神社へとまいります。

 

伊邪那岐・伊邪那美の二柱の神が、漂っていた大地を天沼矛でかき混ぜて大八島が成り立ったと言う神話から歴史教育を受けた世代ですから、大山積大神は天照大神の兄君で云々と書かれた由緒書きを読んで、懐かしい気分でしたが、若いドライバーが「すごい」と言いました。
ほとんど現代風に書いてありますのに、若い人には読めないで、その上意味不明みたいです。なにしろ天照大神を「テンテルダイジン」と読む時代だといいますから・・・。
古事記・日本書紀の記述をそのまま信じさせられていた我々だと思って苦笑しました。
大山祇神社楠木群は国指定の天然記念物だそうで、大木の樟が沢山ありました。
この神社には本当に大変な数の国宝や重要文化財があります。 

 
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下から出る楠木はこの島に祖神を祀った乎知命がお手植えのものだとかで樹齢二千六百年とありました。
 


 
大山祇神社の文化財には、刀剣、甲冑、弓箭具などの武器武具類の多いことが特色だと言います。これらの多くは村上水軍の河野一族からの奉納品なのだそうです。瀬戸内を舞台としての攻防が如何に多かったか、彼らが如何に勝利をこの神社に祈ったかということを意味するのでしょう。現在国宝・重要文化財に指定されている武具類のうち大山祇神社所有品は約四割にのぼる数だとのこと。国宝館のまわりの紅葉が美しかったです。
隣接する海事博物館には昭和天皇が研究用に使っていた船や、種々の標本類が展示されていて、流石この辺りは海に関わるところだと思ったものでした。

 


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この島のミカンは特に美味しいのだとドライバーはお薦めで、耕三寺のすぐ前の直売店に立ち寄り、小ミカンを一箱宅配を頼みました。オマケに殆ど一キロほどを袋にいれてくれました。次の因島へ生口橋をわたります。
 
生口島にかかる多々羅大橋を渡ります。
観光スポットとして耕三寺が有名です。この寺は一代で財をなした金本耕三(福松)と言う人が、苦労して育ててくれた母の為に、母が行きたいと言っても行けなかった日光の社寺などにならった山門や、さまざまな堂宇をたてて見せたのだとか言う親孝行の美談で飾られた寺でした。宗教法人ではありますが檀徒のない、西本願寺系のお寺で、いまは耕三師の子息が保持しているのだそうです。
寺は全く観光用の設備で、拝観料一人千二百円で、沢山の観光客がぞろぞろと入っているのですが、これは仏教的な修養とは無関係で、建造物や収蔵物を見るための料金と言う感じでした。

すぐ対面して平山郁夫美術館があります。時間の関係で通り過ぎました。
  
     

瀬戸内海の潮の流れの早いこの辺りは、その様子を知り尽くしている村上水軍の水軍城の島があったとかドライバーが話してくれました。山国しか知らない私どもにとってそんな話はまことに珍しいことでした。この辺にはいまも村上姓が多いなどということも面白いことでした。

 因島は昔、日立造船のあったところで、人工が三万ほどもあったけれど、いまは減少して一万人くらいで、島の外で働く人ばかりになったとか。橋がかかって広島・尾道がすっかり近くなってしまいましたから・・・。


 しまなみ海道から少し横道にぞれて、細い道を辿ると「本因坊秀策記念館」があります。今日の布石の祖・碁聖と仰がれる天才棋士・本因坊秀策(幼名桑原虎次郎)の生まれた島なのです。
そんな縁で、因島は碁が盛んで、いろいろと対局の会が催されているのを知りました。
 
   

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母に囲碁を教えられたのが五歳で、その才が殿様に見いだされて後、 二十歳で第十四世本因坊跡目になり、二十一歳で御城碁に初出仕しましたが、この時から十三年間、御城碁において十九連勝で負けることがなかったと言います。また井上幻庵因碩との耳赤の一局が有名です。江戸でコレラが大流行したとき、患者の看病に当たり感染して三十四歳で死去したのでした
     

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