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短 歌  パリから英国へ編
ノルウエー    英 国
5月17日から20日 スコットランドからロンドン

鏡なす湖面を水鳥がすべりゆく雲切れて光りのうつろう彼方へ
雲切れて湖に淡き光りうつる思い出す歌は「ロッホ・ローモンド」

なだらかに羊飼う丘のつづく涯に色淡き虹低くかかれり

血なまぐさき歴史聞きつつ歩むなり古城のすり減りし石畳道

小さき花束供えて犬の墓いくつ古城の教会の裏手に並ぶ

干満の差が二米というテームズ川に停泊する船を丘に見放くる

子午線を跨いで並び写真撮る二人が歩み来しここまでの道


メイフラワー咲きいる丘の細道を斜めによぎる子午線のあり

ウィンザーの街は窓毎に花を咲かせ城には女王の旗翻る

城門の前の衛兵とならびてたち機嫌よき顔の夫を写す

呼びかけられし思いして寄る骨董店小さき銀のブローチを買う

わが生るる前に造られしブローチに白銀の蔓こまやかに巻く


店先に古き天眼鏡あれば買う泥棒市という名の市に来て

遠く来し旅のなぐさの巡りあい画集になじめる絵のかかる壁

見のかぎり緑ひろがる競馬場のパドックの斜面に盛る石楠花

一望の叶わぬアスコット競馬場道路がまっすぐにコース横切る

旅と言う非日常を経て戻り来し部屋にまず若葉の風を入れたり

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