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短 歌  ウイーン・東欧編
ハンガリー

王宮からのぞむ街
英雄広場

聖堂にステンドグラスの光り降り神を知らぬわれをしばし立たしむ

電柱の上にコウノトリをすぐませる村を過ぎたり人影を見ず

小雨降るハンガリー平原茎枯れて収穫をまつ向日葵畑

世界遺産の玩具の様な地下鉄にただ乗りするのも旅のたのしさ

供花あまた朝光りに色鮮やけし大戦の戦死者を祀る広場は


話題にして術なきことにとらわれて折々無口となりて連れ立つ

人間の食となるまで命たもつ水槽の鯉はまなぶた持たず

聖人の奇蹟として飾りあるミイラ右手の爪が小さくととのう

奇蹟だとガイドが言えば奇蹟かも知れぬと素直に頷く今日は

大砲と戦車並べし軍学校ブタペストの街中に見つつ過ぎたり


ものものしきチェックを受けて飛び立てる機の下に穏しく緑ひろがる

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