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茫 々 漫 遊 記 ・ 長 浜 ・ 彦 根 編
その1
その2

 
 
    

木之元地蔵
戦火から守った観音像を村人が慎ましく守り続けている御堂がひっそりとあります。どのお堂も堂守が慎ましく守っていました。国宝の11面観音像のある「渡岸寺」は格別でしたが・・・。
真夜覚めて窓より見れば湖はゆたに静かに闇湛えいる

まだ暗き朝の湖面の油凪ぎ乱して漁りの小舟出でゆく

朝空を映して布を敷くごとき湖を切りぬボートの水脈は



朝凪の琵琶湖の水面一枚のパステルカラーの絹のスカーフ

定置網にゆっくりと近づきてゆく船が凪ぎいる朝の湖の面ゆらす

伊吹山の頂にかかる朝雲が形を変え色を変えて動かず

釣り人がニゴロ鮒二尾を釣りあぐる傍に立つ朝涼の湖

外来魚を釣る手応えがいいんだと琵琶湖の釣人は胸張って言う


空の青増しきて布のごとく凪ぐ朝の琵琶湖を青く染めたり

早朝の勤行をするみ寺あり過ぎて自ずから心つつしむ

み仏は微笑みいますと思いいるわが守護神は不動明王

村人が戦をさけてかくまいし仏像が秘仏となりて伝わる

川に沈め土に埋めて戦火より仏像を守りし村ありあわれ 


日常より解き放たれて旅にいる湖に添う道の逃げ水追いて

沿線に合歓と山百合盛れるを今年も見たり友にあう旅

旅の二日ニュースを聞かず平穏に世界はあると信じて過ごす

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