私の町にあるソメイヨシノの並木道です。川に沿っていますので、のびやかに枝を広げています。今日では堤防に木を植えることはできないのですが、今の天皇陛下のご生誕の記念に、町の人々が協力して植えたものです。ですから、樹齢は既に73年です。苗木の時から数えると、もう少し年嵩ですね。私と同じ年齢ですので、ここに来ると「あぁ、私もこんな風にゴツゴツした身体。ところどころに苔が生えている!」と溜息が出ます。でもまた、花の季節には4キロ近くの距離が桜の花のトンネルを形成しますので、「あぁ、私もまんざらではない」とも思うのです。
「願はくは花の下にて春死なむ
その如月の望月のころ 西行」
桜を詠った名歌は数かぎりなくあります。