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まるめろ
 
      
 
 
 
         マ ル メ ロ                        バラ科の落葉喬木  
 

私が結婚してこの家に来た頃、結構大きくなったマルメロの木がありました。花はいっぱいつけるのですが、何故かひとつも実のついたことがありませんでした。実家にもありましたが、そっちは幾つか実がついて、毎年母が砂糖煮にしていました。煮ているときにいい香りが家の中に漂って、何とも言えない幸福な気分になるのでした。子供達は大好きでしたが、貴重品みたいに瓶詰めにしてあり、お正月のお料理に添えたりして使い、なかなか食べさせて貰えませんでした。
硬いその実を砂糖煮にする前に、何日か部屋に置いておきますと、すてきな香が漂って、みんなが幸福な気分になりました。形はあまりよくないです。

家を改築するとき、実のつかないわが家のマルメロは処理されてしまいました。今はよその家の花を拝見しています。

秋田県にはマルメロの砂糖煮を特産品にしている森吉町と言う町があります。
 

ペルシャ・トルキスタン地方の原産で、日本には寛永十一年に渡来したとあります。バラ科ですが、枝には棘はありません。枝の先に白、または薄桃色を帯びた五弁の花をつけます。
実は洋なし型をしていますが、全体にぼんやりとした綿毛をまとっています。黄色になったところを収穫しますが、芳香をもっていて、生のままでも食べてたべられないこともありませんが、かおりだけで硬くて、味があまりありません。やはり、砂糖煮にしたものが最高。

この名前はポルトガル語の marmelo からきたものだそうです。

漢名は難しくて、呼び出せませんでした。


昔わが家にあったマルメロの花は純白でした。
実の写真はまだです。