い ね  
     
 
 
 
 
  稲・富み草・田の実・いな・                   イネ科の一年生草本       
 
豊葦原の瑞穂の國・日本と言うことで、日本はなんと言っても稲の國ですね。秋田は特に米作が農業の最も大事な作物ですから、季節によってまわりの風景の感じが変わるくらいの田圃が延々と続きます。
耕作も田植えも消毒も草取りも収穫も今ではほとんど機械化されてしまいましたので、風情がありません。太平洋戦争の頃の勤労奉仕で、稲に関わる大部分の仕事を、女学生であった私たちがしたことを思い出します。
田植えの頃の土の匂い、育った苗が風にそよいで波立つようであったこと。雑草を抜いたりしたこと。見渡す限り黄金色の風景。そして稲刈り。
でもよくよく稲の花まで観察してみることはしなかったような気がします。
七月頃、稲田を渡る風が、稲の花の匂いでしょうか、甘い匂いがしますが、丁寧にどんな花だったかを見たのはこの頃です。籾の一つ一つに白い花が咲きます。この季節はお日様が必要で、日向くさいと思っていたのが、今思うと稲の花の匂いだったのですね。短歌は稔りの秋の稲もありますが、この花の短歌も沢山ありました。無関心だったのは私だけだったのかしら?
 
世界的に小麦につぐ生産量の穀物です。インド・マレーあたりの原産とされていますが、日本には先史時代の渡来。紀元前数千年にはインド中国では栽培が行われていたとの事です。

栽培イネにはアジア稲系統とアフリカ稲系統があるそうです。品種は非常に多くて、インディカ。ジャポニカに分けられているのは周知のことです。それにそれぞれ改良品種が沢山あり、以前には寒い地方では栽培出来なかったのが、北海道が主産地となるほどに改良されています。
餅米、うるち米などと分けられますが、今日の毎日食べて美味しい米・うるち米も「コシヒカリ」「ササニシキ」「アキタコマチ」「ヒトメボレ」などとブランド名をつけて販売されています。
昔は陸稲も栽培していましたが、今ではほとんど見られなくなりました。
稲について書き出したらとまらなくなります。
短歌も稲の花だけでなく、稔りの秋はいい材料になりますから、限りがありません。