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茫茫漫遊記 飛鳥編

グアム・サイパン・年末年始クルーズ 編






        



船内生活
     グアム     サイパン     船内生活


玉砕とう最期を聞きて奮い立てと教えし人に従いしわれら

勝つことを信じていたるあの頃のわが純真の涙ぐましき

フィリピンのバンドが歌うケセラセラが諧謔に似る歳晩のディナー

お供えをして留守にせるわが家も静かに新年を迎えいるべし

サイパンの沖に初日の出を拝む戦は遠く凪ぎわたる海


初日の出映してしずけき海の色この世に嘆くことなきごとし

日本のならいにそいて屠蘇も雑煮も供されて楽し元日の船

スコールの去れば短き海の虹立つを見て二人の時の間惜しむ

この海に戦いて逝きし兵たちも大きくのぼる日を仰ぎしか

腕時計の跡くっきりと残るまで日焼けして南国の新年迎う


窓の辺のコップに匂うプルメリア旅の終わりを華やかにする

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