つ ゆ く さ
ツユクサ科の一年草
日本全土の道ばたや草地などに生える一年草で、親しまれています。丈は20糎ほどで地を這う性質があります。花びらは三枚ありますが、一枚は目立たない大きさです。花は六月から九月。一日花でつぎつぎに咲きます。受粉の形式が変わっていて、他花受粉が出来ないときは自花受粉をすると言うことです。
花の形から鴨頭草と表記されと言うことです。
つゆくさ・月草・鴨頭草・露草・蛍草
花びらを直接布にすりつけて染めたことから古名は「着き草」だそうです。朝に咲いて夕べにはしぼんでしまうので、はかないことの比喩に使われることが多いようです。染めつきがよく、摺り染めの色が移ろいやすいこともまた歌になっています。
「朝咲き夕は消ぬる鴨頭草の
消ぬべき恋をわれはするかも 」作者未詳
(万葉集 二二九一)
若葉は食用にされ、塩ゆでしてから冷水でさらして、生姜醤油で食べると言うことですが、私は試したことはありません。花も酢をいれたお湯で茹でて和え物にするなどと書いてありましたが、どんなものでしょうか?
ポインターで下から出るのは同じ露草でも「ムラサキツユクサ」です。こちらは同じツユクサ科ですが、北米原産の多年生草本で、庭などに栽植されています。花の紫が少し濃いですし、葉の形も違います。こちらも一日花ですが、何となく力強くて、哀れを感じさせると言うわけではありません。
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