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と う が ら し



と う が ら し .
  唐辛子・南蛮

  ナス科 の一年草
 
 唐辛子(とうがらし、唐芥子、蕃椒)は、中南米原産。ナス科トウガラシ属の果実。トウガラシにはさまざまな品種があり、ピーマン、シシトウガラシ、パプリカなど辛味がないかほとんどない甘味種もあります。写真は最も一般的な辛味のある品種。夏に白い小花をつけて、実をつけます。未熟の間は濃緑色、熟するに従って、赤。乾燥して香辛料とするのはご存じの通り。
 唐辛子は唐から伝わった辛子の意味にとれますけれど、この「唐」は外国を指したものでしょう。ですから「南蛮」という呼び方もあります。唐辛子の日本への伝来を具体的に記した文献は、江戸時代後期の農政学者・佐藤信淵(秋田県出身)の『草木六部耕種法』(一八二九)にあるそうです。
 私の生家では「南蛮塩」と言うものを祖父や父が温かいご飯につけて食べていました。赤唐辛子を細かく刻み、麹と塩で漬け込んで亀に押して、冷暗所に保存しておくのです。何年かすると、麹と塩がなれて、赤唐辛子色をした嘗め味噌のようなものになるのでした。私は嘗めたことがありません。もの凄い辛さだと言うことでした。悪いことをすると「南蛮塩をなめさせるぞ!」と脅されされたものですから、大変な辛さなのでしょう。今はそれを作ることもなくなったでしょう。昔々のお話です。

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