ほおずき
ほ お ず き
幼い頃の懐かしい遊びを思い出させます。赤く熟れたほおずきを丹念にもみほぐして、おばあさんは「爺種しょってこい(背負ってこい)、婆綿しょってこい(背負ってこい)などと言いながら、柔らかくして、中のタネと果肉(ワタと言っていました)を小さな穴からジックリと傷をつけないように取り出してくれました。せっかちにすると、穴の口に傷がついてしまいます。中身をとりだしたら、少し酸っぱい味のする汁を洗い流して袋状にします。それを口にいれてギュッ、ギュッとあまり美しくない音をたててならすのです。
説明不要!と言われそうですが、今の子供達にはこんな遊び、解らないでしょうね。都会育ちのみな様も、遊ばなかったでしょうね。いかがでしょうか? 江戸情緒を伝えて浅草寺には鬼灯市があり、沢山の鬼灯の鉢が並び、いろんな種類も見られるのですけれど、ほとんどが観賞用ですから、こんな遊びはしなかったと思いますけれど。
ナス科の多年生草本。
頬付、頬突などとも書くそうです。酸漿・鬼灯。
漢方ではこの地下茎を乾かしたものを酸漿根とよび薬用にします。
未熟のホオズキは青くて、苦いです。幼い日の様々な出来事のなかにも、かすかに苦い思い出があるなどと懐かしむ田舎育ちの私です。
古名は輝血(カガチ)で、古事記では八岐大蛇の目に例えているんですって・・・。
アムステルダムへ行ったとき、食用酸漿を珍しいと思って食べましたが、今では日本でも生産しているようです。でも
あまり美味だとは思いません。
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