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ほおのき

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写真は吉沢義之様の作品です


モクレン科の落葉高木 山地に自生して、高さ15から25メートルにもなります。5月頃、梢の頂きに直径15センチにもなる大型のやや黄みを帯びた白色の香気の強い9弁の花をつけます。 万葉集の時代にはこの大きな葉を盃のかわりにしたという歌がありますが、花を詠んだものはないようです。 材は加工がしやすくて、版木、建築、器具などに使われるほか、木炭の材料にもなります。 高浜虚子の句に 「示寂すといふ言葉あり朴散華」 というのがありますが、朴の白花の散るさまをかさねてどなたかを追悼した作品だそうです。
ほお・ 朴 ほおがしわ・ 厚朴 死に近い父が入院していた病院へ通っていた頃、バスが山間の道を通るとき新緑の山々。そこに咲いていた朴の花の印象が忘れられません。高い木の梢に咲きますので、なかなかはっきりと花芯まで見られませんが、大きな白い花です。その大きな花弁が散り落ちているので、ここに朴の木があるのだということに気づかせられ振り仰ぐという感じになります。 朴の葉は大きくて厚く、田植えの季節にはちょうどひろがりますので、私の田舎では「朴葉めし」といって、朴の葉に包んだご飯(味付けや、混ぜご飯など)を小昼に出したもので した。風情があります。 今では機械化がすすみ、共同作業もなくなりましたから、そんな「小昼」もいらなくなってしまいました。

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