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はまゆう・浜木綿

            

ヒガンバナ科の多年草
花の様子が、神道神事で用いられる白い布を使った幣などの形に似ている。その白い布を「ゆう」と言い、「木綿」と書きます。日本に綿花が伝わる前、麻の繊維だけでなく、楮や雁皮の外皮の下にある内皮の繊維が使われていたのだそうです。だから木綿なのですね。
海岸・特に黒潮の流れる沿岸部の浜辺の砂丘で自生していることから「はまゆう」とよばれたのでしょう。
別名のハマオモトは、肉厚で長い葉がオモト(万年青)に似ることから。
高校時代の国語の先生がお嬢さんに木綿子と名をつけたのを不思議に思ったものでした。万葉集をよむようになった、はじめて木綿の意味を知って、国語の先生だったのだ、流石だなどと再認識しました。
万葉集の柿本人麻呂が詠んだ歌 一首
「み熊野の浦の浜木綿 百重(ももへ)なす 心は思へど ただに逢 はぬかも」
古くからこの花の様子が愛でられて、多くの作品が見られます。
熱海で暑い盛りに集まりがあって出かけたとき、丁度咲いていました。写真を撮るテクニックも知らずいい加減な撮り方でした。一本は部屋に持ち帰って悪戯をしましたが、うまい写真にはなりませんでした。今は本当に惜しまれます。


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