つばき  
     
 
 
 
   
 
   つ  ば  き・  椿
 
椿と言う字は、日本で造った国字だそうです。萩もそうでした。日本人は季節を花で思うんですね。
 
つばきは霊力のある神聖な花木と見られていて、 
は ひろ ゆ  まつばき  し         いま   し       
葉広斎つ真椿 其が花の照り坐し 其の葉の広がり坐すは大君ろかも         
             仁徳天皇 皇后
 
などと大君に並べて詠われているのが見られ、全国的に椿神社や、巨木の椿、連理の椿などがあります。
 万葉集にも
    河の上のつらつら椿つらつらに
         見れども飽かず巨瀬の春野は
    巨瀬山のつらつら椿つらつらに
        見つつ偲ばな巨瀬の春野を
 をはじめとして椿の歌が多くあります。
 
 
ツバキ科、ツバキ属の常緑高木。

名前は「厚葉木」からとか「津葉木(葉につやがあると言う意味)」からつけられたとされていますが、どうでしょう
日本書紀には「海石榴」と記されているそうです。
この当時愛され親しまれて来たツバキはすべて紅白のヤブツバキだったそうで、十七世紀の初期に京都の貴族社会から発して江戸に及び、
宮内庁書陵部には将軍の下命で描かせたと言う「椿花図譜」が伝わっていると言う発展を遂げました。

しかし、武士はポトリと花首の落ちる椿を斬首と結びつけて、縁起の悪い花だとして嫌いました。

食べ物にもまた日本人は季節を重ねました。
椿餅は艶を持ったツバキの葉に、道明寺に餡を包んだものをはさんで・・・・。

季節が少し移れば桜餅に柏餅となります。食べたくなりました。

 
     
 
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