もくせい  
     
 
 
 
   
 
 
   木 犀 ・ も く せ い
木犀の香りは人を恋わせます。こんな風に思うのは私だけですか。思い出のひとつもない草も花もいまではないような気がします。名前を知らない新種の花にさえ、どこかであったことがあるような気がします。
木犀のむせるような甘い香りは、春の沈丁花と双璧をなして、心をくすぐります。

仙台の目抜き通りが歩行者天国とか言う名前になったころ、なかなか自由の利かなかった私がやっと一人で出かける機会を得ることが出来て、開放された思いで漫ろ歩いたとき、この小花がいっぱい道に散っていました。
彼氏と一緒と言うことではありませんでしたが、その時口をついて出た歌が、何と昔の恋人を偲ぶ歌でした。
 

モクセイ科の常緑小高木

ほとんどが栽培で庭園に植えられます。中国原産。金木犀(丹桂)・銀木犀(銀桂)。他にウスギモクセイもあるそうです。

もともとは、モクセイは白色のギンモクセイの標準和名だったそうですが、今では橙黄色の金木犀もモクセイと呼ぶようになったとか・・・。幹の紋理がサイの皮に似ていることから、つけられた名前で、漢名の「木犀」を音読みにしたのが日本名になりました。
雌雄異種ですが、日本には雄株しかないそうで、結実しません。