くわのみ
 
     
 
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     桑 ・ く わ                        クワ科の落葉高木

養蚕が盛んだった時期が過ぎて、残された桑の木でしょうか、一本大きく育って外庭の隅にありました。実の熟する頃、その木に登って実を食べたりするのが楽しみでした。お転婆だったとは自分では思いませんが・・・。

今ではこんなものを摘んで食べる子供達はいませんでしょうが、楽しいことでした。
友だちも面白がって一緒に登ったものでした。

その幹にはちょうど腰をかけて休めるように枝分かれしたところがありました。夕方、お日様が沈むのを、その枝に腰掛けて眺めると、地上で見るよりも美しかったです。

半世紀以上も前の話ですから、今はもうその木も無くなったでしょうが、山の端を染めて沈む夕陽を見ると、その木の枝に腰掛けて見た景色をふと重ね合わせています。
       
 

蚕・カイコの葉と言う意味の「コハ」が転じたとか、食う葉が転じた「クハ」だとか言います。

私の母は桑の実のジャムをつくりました。要するにベリーのジャムです。暗紫色のものが出来ました。


実の話ばかりしましたが、私の子供が小学校の頃、蚕が繭を作る様子を観察すると言うことで、何匹かの蚕を学校から持たされてきたことがありました。

しばらくの間でしたが、わが家の垣根のあたりに育っていた桑の葉を摘んで与えたことがありました。養蚕時代のなごりだったのでしょうか、毎年かりこんであったのでそれが桑だと言うことを恥ずかながら、私は知りませんでしたのを、姑から教えて貰いました。

私は桑の実だけを食べていたので、葉の形も様子も知らなかったというお粗末だったのです。