かしわ
 
     
 
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    かしわ・ 柏・ 栢 ・槲                     ブナ科の落葉高木  
 

柏と言えば、「柏餅」と言う連想があたりまえだと思うのは食いしん坊だからでしょうか。でも、私の住む地方では「柏餅」は一般的ではありません。この季節には「笹巻き」と言うものを作ります。それは粽の一種で、若い笹の葉に、一晩水につけた餅米を三角形になるように包んで、藺草で結び、じっくり茹でて、きな粉をつけて食べるのです。地方によって風習は違うのですが、このあたりでは柏餅をつくる柏の葉をとる柏の木そのものがあまり一般的ではないのです。

この大木の柏の木は、武家屋敷の一つの庭にぞびえたっています。柏餅を包むような小さな葉ではなくものすごく大きな葉をひろげて、この町では目立つ存在です。
斎藤茂吉の一首はこれを詠んだものです。
 
大きいものでは高さ17米にもなります。幹は直立して、大量の葉をつけます。樹皮はタンニンに富み、染料となります。

材は良質の木炭の原料になります。

日本名・カシワは食物を炊ぐ葉の意味だと牧野の図鑑にありました。古代は食物を盛る葉は、みなカシワ・炊葉と言ったのだそうですが、今日ではこの木だけの名前になったとありました。

葉は秋になれば枯れますが、枯れたままで落葉しないで、冬の風に吹かれて、カサカサと擦れて鳴ります。