死に近い父が入院していた病院へ通っていた頃、バスが山間の道を通るとき新緑の山々。そこに咲いていた朴の花の印象が忘れられません。高い木の梢に咲きますので、なかなかはっきりと花芯まで見られませんが、大きな白い花です。その大きな花弁が散り落ちているので、ここに朴の木があるのだということに気づかせられ振り仰ぐという感じになります。
朴の葉は大きくて厚く、田植えの季節にはちょうどひろがりますので、私の田舎では「朴葉めし」といって、朴の葉に包んだご飯(味付けや、混ぜご飯など)を小昼に出したもので
した。風情があります。
今では機械化がすすみ、共同作業もなくなりましたから、そんな「小昼」もいらなくなってしまいました。