茫茫漫遊記
 小江戸・川越        


寒い朝でした。十二月の末ですから、当然ですが、まだ積雪はそんなに多くなくて、今年の冬はいいのではないだろうかと、甘い考えも湧くようでした。

川越は「小江戸」として観光客を集めていますから行ってみようということになりました。

ぎりぎりの宿泊ホテル選びは難渋です。それに年末のお休み、学生の受験がはじまっているので、「まぁ泊まれればいいや」ということで、JRを頼みました。


田沢湖線。秋田新幹線です。田沢発電所はうっすらと雪を被っていかにも寒そうな雰囲気でした。


今の警察制度ではない、昔の話ですから、
如何にお寺の権威が高かったか
思わせられます。
 
上野駅で下車して、川越線に乗りました。
まぁ何というローカルスタイル。私の町を走るローカル列車と同じでした。半世紀前の上野は賑やかで、こんな列車はなくて汽車でしたものね。

兎に角川越で下車、以前に来たときは途中麦畑があったりして、田園風景があったものでしたが、今はすっかり住宅地に見えます。

川越駅の観光案内所で地図を貰い、タクシーを頼んで見て回ることにしました。

最初はなんと「とろぼうばし」です。喜多院にはあとでまいりますが、この橋を渡れば喜多院の寺領ですので、罪を犯した者でも、匿って貰えたとか。



 


 
川越と言えば「時の鐘」がすぐに思われます。

今も一日に
日に4回(午前6時・正午・午後3時・午後6時)、蔵造りの町並みに 鐘の音を響かせています。
 
 平成8年に、時の鐘は環境庁主催の「残したい“日本の音風景100選”」に選ばれました。


いまはオートマティックの装置がされていて、人間が登って衝くのではなくなっていました。

この鐘の音を聞くべく暫く待っていました。私たちだけではなく、多くの観光客らしい人々が集まってきていました。

とても快い音でしたが、今日の生活の中では「騒音だ」と言う人もいるそうで、考えさせられます。
 


ポインターを載せて見て下さい
 
なんと言ってもこんな風に蔵造りの商家が立ち並ぶ街はあまりないと思います。関東地方の物流の中心地であったことをしのばせます。

現在の川越の町づくりは、太田道灌親子が上杉氏を築いてからで、江戸時代には要衝として城下町として繁華をきわめたとのこと。

川越の蔵造り店舗が生まれたのは明治26年、町の三分の一が消失した大火の後だそうです。西洋から入ってきた煉瓦造りの耐火建築でなく日本伝統のの土蔵造りで再建したのでした。

ずらりと並ぶ伝統的な蔵造りの商家でも、老舗として残って同じ商いをしている訳ではありませんでした。


ここも川越の名所「菓子屋横町」
本当に狭い横町にびっしりと
昔懐かしい駄菓子のお店がずらりです。
すいすい通り過ぎる人のあとをついて歩いて
辛うじて私は金平糖を買いました。




そんな中で老舗の刃物やさん。
働いていたのはイケメンの若い職人さん。







江戸城紅葉山から移築された客殿
「「徳川家光誕生の間」があります。
また、家光の乳母として名高い
「春日局化粧の間」という
豪華な造りの広間があります。写真は禁止

江戸城紅葉山の庭園を模して作られたと言う
庭園は
移ろう季節ごとにそれぞれの美しさを
みせるでしょう。









喜多院の五百羅漢は本当に有名。ですので、楽しみに見てまわりました。
お酒をつぎ合っていると思った羅漢さんは灯油を油皿に注いでいるのでした。
解説をしてくれた人から聞くところによると、あの「廃仏毀釈」のときに、ほとんどの羅漢の首は落とされて
後に修復したとのことです。よく見ると首がつけ直されているのがわかりました。

ウサギをだいたり、鶏に餌をやったり、ひそひそ話をしたりする羅漢さんたちは、悟りを啓いた高僧というよりも、人間味に富んでいて、親しいお姿ばかりでした。




ポインターを載せてください





ポインターを載せてください







上野に帰ってきて、小さなビジネスホテルのようなところに宿泊。初めての体験でした。
上野駅も昔とはすっかり違っていました。

昔?半世紀以上前、ここが東北の人にとってこが
最初の玄関口でした。
西郷さんの銅像なんかもう捜さなければ
ならなくなりましたね。


上野に泊まった訳はこの展覧会を
見るためでした。今、中国とあまり
いい国交関係でありませんが、
歴史の壮大さ、中華思想の奥深さを
感じさせる展覧会でした。




お上りさんはまず東京駅から秋田新幹線に
乗ることにして、ちょっとだけ新装なった
丸の内口の天井を仰ぎ見て・・・。
以前のステーションホテルには何度か
泊まったので、今回も
本当はここに泊まりたかったのですが
まだすぐに予約が取れるところでは
ありませんでした。




     


秋田新幹線は、盛岡から実にゆっくりになり、これが新幹線かと言う
感じになりますが、景色はとてもよく見られます。



ふる里の山にむかひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな
石川啄木