チビ達の楽しむビデオを見せられました。そのイントロで、サザエさんのマンガのワカメちゃんみたいな可愛いおかっぱのイラストの女の子が大きな口を開けて歌います。
「♪こどものころの パパと逢ってみたいな。
きっときっと 私とオママゴトできた。
そしたら私の 旦那様の役
特別だから 誰より先に 誰より先に
させてあげる。
とびきりおいしいご馳走つくってあげる。♪」
春になるとあたたかい日差しを楽しんで、庭に筵を敷いて貰って、遊んだものだったと思い出します。
男の子も旦那様役になる仲間にして、大人のマネッコして遊びましたよね。
ツバキの葉っぱに花びらを載せて松葉のお箸でなんて言う時代でした。
「こんにちは」と、お客様が訪ねてきます。
「いらっしゃいませ。どうぞお上がり下さい」
「お茶をどうぞ・・・」
人形をあかちゃんにして、おんぶしたりして、すっかりお母さん気取りでした。
いろいろ問題もあったでしょうが、すべてが「ゴッコ遊び」でした。
だから、次のような歌もありましたね。
「♪可愛い可愛いさかなやさん。
ママゴト遊びのさかなやさん。
コンチワ おさかな いかがです。
お部屋じゃ可愛いおかあさん
今日はまだまだよかったわ。♪」
超高齢社会ではご用聞きが大変便利だと思いますが、そんなシステムは採算があわなくなりました。スーパーから車で運ぶ時代。お豆腐一丁、トイレットペーパー、歯磨きなんかまで買い忘れると、車があれば車で、無ければ、雨、嵐でもかなりの距離を歩いて買い、 昔だったら、ご用聞きさんについでにお願いすることも出来たように思います。今の暮らしは便利なようで、どこか高齢社会に馴染まない部分があるようですね。つまらないことを嘆いてしまいました。少し高価でもコンビニェンスストアを使いましょうか。
今はどうでしょう? こんなオママゴト遊びなんかする子供がいるでしょうか。
電化製品までそろった玩具の所帯道具。そしてそのサイズにあったお人形で、一人遊びが出来ます。
こうして考えてみると、当時の童謡を歌っても、子供達にはおそらく想像もできないことばかりになりました。
「♪お山の中行く 汽車ぽっぽ
ぽっぽ ぽっぽ 黒い煙を出し
しゅしゅしゅしゅ 白いゆげふいて
機関車と機関車が 前ひき 後押し
なんだ坂 こんな坂 なんだ坂 こんな坂
トンネル鉄橋 ぽっぽ ぽっぽ
トンネル鉄橋 しゅしゅしゅしゅ
トンネル鉄橋 トンネル鉄橋
トンネル トンネル
とん とん とんと のぼり行く♪」
調子がいいので、今でもチビ達とうたいますが、こんな列車は特別列車ですよね。簡単には見られません。
そこで汽車ぽっぽの思い出ひとつ
OO高等学校併設中学校の修学旅行で、男鹿半島へ行きました。秋田県内の旅行でも、当時は旅行だったのです。それも一泊です。今だったら日帰りゆっくりできますのに・・・・・。
秋田まで出て、そこから船川線というのに乗り換えて、いったい何と言う駅に降りたのかは記憶にないのです。
「ぽっぽ ぽっぽ 黒い煙を出し
しゅしゅしゅしゅ 白いゆげをふく」
各駅停車のゆっくり旅行。
当時の汽車は窓は閉まらないし、ゴトゴトゆっくりです。石炭が良くなかったからなのかわかりませんが、黒い煙の中には「タンカス」と言っていた石炭カスが混じっていて、それがよく目に入って大変でした。当時は列車と言わず、汽車と言いましたし、駅とは言わず、停車場と言っていたと記憶しています。この間、「汽車が遅れてしまって」と遅刻の言い訳をしたら、「アラ、貴方の所ではまだ汽車が走っているの?」なんて言われて、バカにされました。汽車って言うのは、蒸気機関車で走るのを言うので、今は列車と言うんですね。これは付け足しです。
八郎潟が埋め立てられる前のことですから、ひろい八郎潟に魚採りの船が浮かんでいるのを見ながらの旅でした。どこにトンネルがあったかも定かではありませんが、トンネルの中で汽車が止まってしまったのです。動かなくなった機関車に力をつける為に、窯にどんどん石炭をいれて、力を出そうとするのでしょうから、黒い煙はモクモクモク・・・・。ぽっぽ ぽっぽ黒い煙なんていう生易しいものではありません。
電気も消えて真っ暗、その上窓の閉まらない私たちの車輌に遠慮なく煙は入り込んで来ます。やっと動いてトンネルを出たら、何となくみんなの顔がどす黒く煤っぽくなったいたのには閉口でした。どうしたのかと窓から顔を出して見た人もいて、煤だらけの修学旅行は、印象に残りました。
いい思い出となったのかと聞かれれば、答に窮します。特別な思い出になったのだとは思っています。
男鹿の海の観光も、ポンポン蒸気船でした。小さい船の上に、ポンポンという機関の音がお腹に響いて、船酔いがひどかったのを思い出します。船酔いって言うのは下船するとすぐ治るんですね。
その時、いつも威張っていた意地悪な同級生の一人が一番ひどく船酔いをして、いい気味でした。因みにそれは私ではありませんでしたよ。ホントの話です。